【第56回】PT・OT国家試験の解説【午前51~60】

国家試験対策

こんにちは!現役作業療法士のユウダイです!

今回は第56回PT・OT国試(共通問題)午前51~60番までの解説になります!

正答と解説は隠していますのでクリックして表示してください!

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第56回国家試験の解説リスト

午前61~70番▶

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第56回理学療法士・作業療法士国家試験

令和3年(2021年)2月21日(日)・令和3年2月22日(月)に実施された「第56回理学療法士国家試験」「第56回作業療法士国家試験」の解説です.

❝出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験、第56回作業療法士国家試験の問題および正答について)

 共通問題(午前51~午前60)

午前51 大菱形骨に接するのはどれか。

1. 月状骨
2. 三角骨
3. 舟状骨
4. 有鈎骨
5. 有頭骨

正答:3
大菱形骨に付属する骨は舟状骨および小菱形骨です.

覚え方:「父さん月収大小有(頭)り有(鈎)り」
(豆状骨→三角骨→月状骨→舟状骨→大菱形骨→小菱形骨→有頭骨→有鉤骨)
手のひらを見てお父さん指側が橈(父)骨,左側が尺骨です

下の絵を書けるようになりましょう.線で結んでいるもの同士が接します.







午前52 橈骨粗面に付着する筋はどれか。

1. 肘 筋
2. 上腕筋
3. 腕橈骨筋
4. 上腕二頭筋
5. 橈側手根屈筋

正答:4
橈骨粗面に停止する筋は上腕二頭筋のみです.

【上腕二頭筋】
起始:(長頭)肩甲骨関節上結節,(短頭)肩甲骨烏口突起
停止: 橈骨粗面

こちらから主動作筋と起始・停止の暗記表をダウンロードできます







午前53 大転子に付着する筋はどれか。2つ選べ。

1. 腸骨筋
2. 大殿筋
3. 中殿筋
4. 梨状筋
5. 内閉鎖筋

正答:3.4.5
深層外旋6筋と呼ばれる梨状筋,上双子筋,下双子筋,内閉鎖筋,外閉鎖筋,大腿方形筋は股関節を外旋させる筋として有名です.

【梨状筋】停止:大腿骨大転子
【上双子筋】停止:大腿骨大転子
【下双子筋】停止:大腿骨大転子
【内閉鎖筋】停止:大腿骨大転子または転子窩
【外閉鎖筋】停止:大腿骨転子窩
【大腿方形筋】停止:大腿骨転子間稜
【中殿筋】停止:大腿骨大転子外側面
【小殿筋】停止:大腿骨大転子

こちらから主動作筋と起始・停止の暗記表をダウンロードできます.







午前54 健常成人において脊椎に対する脊髄最下端の位置はどれか。

1. 第9〜第 10 胸椎
2. 第 11〜第 12 胸椎
3. 第1〜第2腰椎
4. 第3〜第4腰椎
5. 第5腰椎〜第1仙椎

正答:3
脊髄は脊椎より短い.つまり脊髄はどこまで伸びているか問われています.

発生のはじめ(胎生3ヶ月まで)では脊椎と脊髄の高さは一致しているが、成人の脊髄の終わり(脊髄円錐)はだいたい第一腰椎と第二腰椎の間になる.脊髄の末端より下位の脊髄腔には神経根のみが伸びており,馬尾と呼ばれる.脊髄-Wikipediaより引用.







午前55 頸動脈小体を支配するのはどれか。

1. 滑車神経
2. 三叉神経
3. 顔面神経
4. 舌咽神経
5. 副神経

正答:4
舌咽神経が答え.頸動脈小体は内頚動脈と外頸動脈の分岐部に存在.

大動脈小体と頸動脈小体は血中酸素分圧の化学受容器である.酸素分圧が低下すると大動脈小体では迷走神経の求心性繊維,頸動脈小体では舌咽神経の求心性繊維が延髄の呼吸中枢を刺激して換気を促進させる.







午前56 心臓について正しいのはどれか。

1. 僧帽弁は三尖弁である。
2. 冠静脈洞は右心房に開口する。
3. 大動脈弁には腱索が付着する。
4. 冠動脈は大動脈弓から分岐する。
5. 右冠動脈は前下行枝と回旋枝に分かれる

正答:2
上大静脈,下大静脈,冠状動脈洞は別々に右心房へ入ります.つまり冠静脈洞は右心房に開口します.

1.僧帽弁は前尖と後尖と呼ばれる二つの弁尖から成る.心臓にある他の弁(三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁)は三つの弁から成っており特徴的であるためよく問われます.

3.僧帽弁の先端は左心室側にあり、先端からヒモ状の腱索が出て心室壁の乳頭筋と繋がっている。弁は左心室側に開くが、閉じる際には弁が左心房側に反転しないように乳頭筋が伸縮し、腱索の緊張を起こす.(出典:僧帽弁-Wikipedia

4.冠動脈は上行大動脈の起始部から分岐します.冠動脈の走行はよく問われますので確認しておきましょう.

5.左冠動脈が前室間枝(前下行枝)と回旋枝に分かれます.







午前57 上大静脈と下大静脈とを結ぶ静脈はどれか。

1. 奇静脈
2. 鎖骨下静脈
3. 上腸管膜静脈
4. 腎静脈
5. 脾静脈

正答:1
奇静脈は上大静脈と下大静脈を結ぶ静脈です.上大静脈と下大静脈は直接繋がっていません.それぞれ別々に右心房へ入ります.

静脈系は位置関係をイラストで覚えましょう.動脈・静脈の位置関係を問われる問題もあります.下大静脈が体の中心より右側を走行していることは覚えておきましょう.意外とシンプルなので深く考えないようにしましょう.

グレイ解剖学1918年版







午前58 筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 下斜筋-外転神経
2. 下直筋-視神経
3. 上眼瞼挙筋-動眼神経
4. 上斜筋-滑車神経
5. 内側直筋-眼神経

正答:3.4
眼球は3対6筋の外眼筋によって運動の調節が行われている。
・内側直筋と外側直筋
・上直筋と下直筋
・上斜筋と下斜筋

内側直筋は動眼神経支配であり,眼球を内側へ運動する。
外側直筋は外転神経支配であり,眼球を外側へ運動する。
上・下直筋は動眼神経支配であり,それぞれ眼球を上・下へ運動する。
上斜筋は滑車神経支配であり,眼球を下内側方向へ運動する。
下斜筋は動眼神経支配であり,眼球を上外側方向へ運動する。
ちなみに,上眼瞼挙筋も動眼神経支配である。

覚え方:上斜筋は滑車神経支配なので,「車に乗車」と覚えます.外側直筋は外転させるので,そのまま外転神経支配です.







午前59 中耳について正しいのはどれか。

1. キヌタ骨は鼓膜に接している。
2. 耳管に分布する動脈は迷路動脈である。
3. アブミ骨筋の支配神経は下顎神経である。
4. キヌタ骨の短脚はアブミ骨と関節を形成する。
5. アブミ骨底は内耳の前庭窓にはまり込んでいる。

正答:5
中耳は鼓膜から前庭窓・蝸牛窓までの空間であり鼓室とも呼ばれる.前庭窓はアブミ骨底がはまり込んでいる.よって正答は5となる.

1.鼓室には外側からツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨があり,鼓膜に接しているのはツチ骨である.
覚え方:外から「付き合って(ツキアって)」

2.迷路動脈は内耳に分布する.耳管に分布する動脈は翼突管動脈と呼ばれるが,国家試験としては難しすぎるため,他の選択肢をどれだけ理解しているかが試されているのでしょう.

3.耳小骨はアブミ骨にアブミ骨筋が付着し,ツチ骨に鼓膜張筋が付着し張力を保っている.アブミ骨筋は顔面神経支配,鼓膜張筋は下顎神経支配である.

4.キヌタ骨の短脚はツチ骨と関節を形成しているため間違い.







午前60 右下肢後面を図に示す.ヒラメ筋の触知部位で最も適切なのはどれか。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

正答:4
腓腹筋【起始】腓腹筋内側頭:大腿骨内側顆,腓腹筋外側頭:大腿骨外側顆 【停止】踵骨隆起
ヒラメ筋【起始】脛骨ヒラメ筋線,腓骨頭・骨幹上部 【停止】踵骨隆起

こちらから主動作筋と起始・停止の暗記表をダウンロードできます

1.①は足底筋の触知部位であると考えられる.

2.②は腓腹筋内側頭の筋腹を示している.

3.③は腓腹筋外側頭の筋腹を示している.ヒラメ筋は下腿後面の筋肉であり大半は腓腹筋に覆われている.そのため③でヒラメ筋に触れるのは難しい.

4.④は正答.ヒラメ筋を触知する部位として最も適切である.

5.⑤腓腹筋は2頭をもちヒラメ筋と合わせて下腿三頭筋と呼ばれる.これらの腱は合流して踵骨腱(アキレス腱)となるため⑤はヒラメ筋の触知部位としては不適切である.







今回はここまでです.

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