【第56回】PT・OT国家試験の解説【午前71~80】

国家試験対策

こんにちは!作業療法士のユウダイです!

今回は第56回PT・OT国試(共通問題)午前71~80番までの解説になります!

正答と解説は隠していますのでクリックして表示してください!

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第56回国家試験の解説リスト

◀午前61~70番の解説

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第56回理学療法士・作業療法士国家試験

令和3年(2021年)2月21日(日)・令和3年2月22日(月)に実施された「第56回理学療法士国家試験」「第56回作業療法士国家試験」の解説です.

❝出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験、第56回作業療法士国家試験の問題および正答について)

 共通問題(午前71~午80)

午前71 嚥下反射時に活動する筋の中で舌骨下降作用があるのはどれか。

1. 顎舌骨筋
2. 顎二腹筋
3. 茎突舌骨筋
4. 甲状舌骨筋
5. オトガイ舌骨筋

正答:4
嚥下に関わる重要な筋群→舌骨周囲の筋肉の作用です.
つばをゴクンと飲み込んだときに顎の付け根の骨が上方に移動すると思います.この動きを行うための筋肉です.

甲状舌骨筋は選択肢の中で唯一の舌骨下降作用があるため国試で問われやすいです.

1. 顎舌骨筋:舌骨を前方に挙上
2. 顎二腹筋:前腹はオトガイ舌骨筋と共に舌骨を前上方,後腹は茎突舌骨筋と共に後上方へ挙上.
3. 茎突舌骨筋:舌骨をやや後方に挙上
4. 甲状舌骨筋:舌骨を下方に引く.
5. オトガイ舌骨筋:舌骨を前方に挙上

舌骨は,下顎と咽頭の間に存在するU字形をした骨







午前72 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)における胸腰部回旋の基本軸で正しいのはどれか。

1. 仙骨後面
2. 肩峰を通る床への垂直線
3. 両側の上後腸骨棘を結ぶ線
4. ヤコビー<Jacoby>­線の中心に立てた垂直線
5. 第頸椎棘突起と第仙椎の棘突起を結ぶ線

正答:3

胸腰部回旋の基本軸は「両側の上後腸骨棘を結ぶ線」で正しい。
移動軸は「両側の肩峰を結ぶ線」である。つまり対象者の上方から見下ろす形での測定となる。
測定姿勢は“座位”。骨盤を固定して行う。







午前73 上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。

1. 上腕二頭筋―肩関節外旋
2. 上腕三頭筋―肩関節内旋
3. 腕橈骨筋―前腕回内
4. 円回内筋―肘関節伸展
5. 上腕筋―前腕回外

正答:3

筋の作用に関しては暗記シートDLできますので是非使ってください!https://sagyouryouhou.com/486/

選択肢の正しい作用を後述↓↓
1. 上腕二頭筋―肩関節屈曲、肘関節屈曲、前腕の回外
2. 上腕三頭筋―肘関節伸展
3. 腕橈骨筋―前腕の回内、肘関節の屈曲
4. 円回内筋―肘関節屈曲、前腕の回内
5. 上腕筋―肘屈曲

※主動作を覚えるだけでは解けない良い問題です。
解き方のポイントは作用を丸暗記するよりも筋の走行(起始・停止)を理解し、その筋が収縮したときに関節がどのように動くかイメージすることです。

分からなければ、教科書の絵をみてください。3の選択肢以外は想像できないと思います。
それでも分からなければ私に連絡してきてください!!







午前74 運動学習におけるパフォーマンスの知識はどれか。

1. フィギュアスケートの得点
2. 投球のストライク判定
3. 50 m 平泳ぎのタイム
4. サッカーのゴール数
5. 宙返りの空中姿勢

正答:5

ここではざっくりと説明します。また、思い立ったら記事書こうと思います。

運動学習には内的フィードバックと外部からのフィードバックが必要。
内的フィードバックは身体の感覚受容器からの情報。
外的フィードバックは外部からの運動に関する情報(運動の過程や、上手さ、課題の達成度)
外的フィードバックには2種類ある。結果の知識(KR) ・パフォーマンスの知識(KP)である。

これらをフィードバックを基に人間は反復することで少しずつ修正し運動を学習する。
自転車に乗れるようになったり、麻痺した手を動かせるようになる。

今回の問題ではは パフォーマンスの知識(KP) であり、そのほかは 結果の知識(KR) となる。







午前75 心電図の房室ブロックの所見で正しいのはどれか。

1. Wenckebach 型房室ブロックでは PR 間隔が不変である。
2. 第1度房室ブロックでは QRS 波は脱落しない。
3. 第1度房室ブロックでは PR 間隔が 0.1 秒以上になる。
4. 第3度房室ブロックでは P 波が完全に脱落している。
5. Mobitz II 型房室ブロックでは PR 間隔が徐々に延長する。

正答:2

心電図に関する記事も記載予定です。
ここでは選択肢における特徴と用語の整理を。。。

・房室ブロックは房室結節の刺激が心室に届かないことによって起こる刺激伝道系の異常。
・その重症度により、第1度房室ブロック、第2度房室ブロック(Wenckebach型房室ブロック(Mobitz I型)、 Mobitz II型 )、第3度房室ブロック(完全房室ブロック)に分類される。

1. Wenckebach 型房室ブロック:P波とQRS波の間隔(PR間隔)は変則的。QRS波の脱落。
2. 第1度房室ブロック:P波とQRS波の間隔 (PR間隔) が延長。 QRS 波は脱落しない。
3. PR 間隔が 0.1 秒以上は正常値である。
4. 第3度房室ブロック:QRSの完全脱落。P波は見られることもある。
5. Mobitz II 型房室ブロック :P波のあとにQRSが欠如することがある。P波の後にP波が続くことがある。







午前76 腱板断裂の範囲の把握に最も有用な検査はどれか。 

1. MRI
2. 単純 CT
3. 血管造影
4. 単純エックス線
5. 骨シンチグラフィー

正答:1

腱板断裂・筋損傷・神経損傷であればMRIが有効です。軟部組織は基本MRIによる検査が有効です。







午前77 機能的イレウスの原因となるのはどれか。

1. 大腸癌
2. 腸重積
3. 長期臥床
4. 内ヘルニア
5. 腹腔内癒着

正答:3

機械的イレウス・・・器質的異常を伴う。器質的異常とは腫瘍などによる閉塞や狭窄のこと。
機能的イレウス・・・器質的異常を伴わない。麻痺・長期臥床・自律神経の障害など。







午前78 記憶過程の要素として正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 記 銘
2. 計画立案
3. 想 起
4. 転 換
5. 配 分

正答:1,3

記憶の過程は大きく3つあります。「記銘」「保持」「想起(再生)」になります。
また詳しく記事を書きたいと思います。







午前79 イラスト風に描かれた人物のセリフを書き込む形式の心理検査はどれか。

1. SCT
2. P-F スタディ
3. バウムテスト
4. モーズレイ性格検査<MPI>
5. Revised NEO Personality Inventory<NEO-PI-R>

正答:2
1:SCT(文章完成法):自由に短文を書いてもらい、対象者のパーソナリティを診断するテスト。投影法。
2:P-Fスタディ:まんが風の刺激図(自我阻碍場面・超自我阻碍場面)を利用し、欲求不満状況に対よる反応のタイプから、その性格傾向を把握する。絵画欲求不満テストともいう。投影法。
3:バウムテスト:樹木画テストともいう。投影法。
4:モーズレイ性格検査(MPI):性格を「内向性ー外向性」「神経症的傾向」の2つの次元から捉えるテスト。質問紙法。
5:NEO-PI-R:「神経症性傾向」「外向性」「開放性」「調和性」「誠実性」の5次元の性格検査。質問紙法。

・投影法(自由な回答)の対比として定型的な質問に答えてもらう「質問紙法」がある。
・代表的な質問紙法のテスト・・・「Y_G性格検査」「MMPI(ミネソタ多面人格目録)」「TEG(東大式エゴグラム)」「MPI」「NEO -PI-R」など
・代表的な投影法のテスト・・・「ロールシャッハテスト」「SCT(文章完成法)」「P-Fスタディ」「風景完成法」「バウムテスト」など







午前80 認知療法を発展させたのは誰か。

1. A. Beck
2. S. Freud
3. C. Rogers
4. H. Eysenck
5. H. Sullivan

正答:1

1. A. Beck(アーロン・ベック):アメリカの医学者、精神科医で、うつ病の認知療法(Cognitive Therapy)の創始者として知られる.
2. S. Freud(ジークムント・フロイト):オーストリアの精神科医。神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、自由連想法、無意識研究を行った。精神分析学の創始者として知られる。心理性的発達理論、リビドー論、幼児性欲を提唱した。
3. C. Rogers(カール・ロジャーズ):アメリカ合衆国の臨床心理学者。来談者中心療法(Client-Centered Therapy)を創始した。
4. H. Eysenck(ハンス・アイゼンク):不適切な学習によって神経症が引き起こされると考えた。行動療法によって治療しようと試みた。 パーソナリティ研究の分野で活躍した。1975年にアイゼンク性格検査を考案した。
5. H. Sullivan(ハリー・サリヴァン):アメリカ合衆国の精神科医、社会心理学者。WHO設立など精神保健の国際化、また操作的診断基準を導入したことによって現代精神医療の基礎を築いた。







第56回国家試験の解説リスト

◀午前61~70番

今回はここまでです.次回は【第56回】PT・OT国家試験│解説【午前81~午前90】になります.

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