こんにちは!作業療法士のユウダイです!
今回は第56回PT・OT国試(共通問題)午前81~90番までの解説になります!
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第56回国家試験の解説リスト
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第56回理学療法士・作業療法士国家試験
令和3年(2021年)2月21日(日)・令和3年2月22日(月)に実施された「第56回理学療法士国家試験」「第56回作業療法士国家試験」の解説です.
❝出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験、第56回作業療法士国家試験の問題および正答について)❞
共通問題(午前71~午80)
午前81 老年期における精神保健上の問題として正しいのはどれか。
1. 自我同一性の獲得
2. エディプス葛藤
3. 空の巣症候群
4. モラトリアム
5. 社会的孤立
正答:5
老年期における、精神保健上の問題として挙げられるものは、不安、孤独、抑うつである。
これは、社会や職場からの引退、それに伴って社会的地位の喪失、収入の減少、対人関係の狭小化、家庭内での中心的地位の喪失、収入の減少、配偶者との死別、疾病などが生じやすいことが要因である。
1. 自我同一性の獲得:青年期の発達課題である。エリクソンにより提唱。
2. エディプス葛藤:男子が母親に性愛感情をいだき,父親に嫉妬する無意識の葛藤感情。男根期( 就学前~小学校中学年まで )に生じ始める無意識的葛藤としてフロイトが提唱。(頭の片隅においておけば大丈夫。)
3. 空の巣症候群:主に、中年~初老期の女性(男性にもある)にみられる。結婚などで子が巣立ってゆき,ひとり家庭に取り残された主婦(主夫)が,空虚感や不安感,抑うつ感を訴える。(成人期の問題)
4. モラトリアム:モラトリアムとは「延滞」という意味で心理学では学生など社会に出て一人前の人間となることを猶予されている状態を示す。(成人期の問題)
午前82 Tinel 徴候が陽性となるのはどれか。
1. 視床症候群
2. 手根管症候群
3. Cushing 症候群
4. 内側縦束症候群
5. Shy-Drager 症候群
正答:2
Tinel徴候は,末梢神経損傷が回復途上にあることを示す徴候であるため、抹消神経障害である手根管症候群が正答。
午前83 第7頸髄後根の障害で生じるのはどれか。
1. 下垂手
2. Horner 徴候
3. 腕橈骨筋の萎縮
4. 上腕三頭筋腱反射の低下
5. 上腕二頭筋の線維束性収縮
正答:4
各筋の支配神経を理解すると解ける問題です。
上腕二頭筋はC5~6髄節。腕橈骨筋はC6髄節。上腕三頭筋はC7~8髄節。
また、問題文に“後根”と書かれているため求心性の神経障害である4を選ぶこともできます。
前根は中枢から末梢へ情報を伝える(遠心性)運動神経や自律神経であり、後根は末梢から中枢に向かって情報を伝える(求心性)の感覚神経
午前84 切断について正しいのはどれか。
1. 上腕切断(短断端)では肩内転拘縮を生じやすい。
2. 前腕切断(中断端)では肘伸展拘縮を生じやすい。
3. Chopart 関節離断では足内反変形を生じやすい。
4. Lisfranc 関節離断では足外反変形を生じやすい。
5. 大体切断(標準切断)では股内転拘縮を生じやすい。
午前85 悪性リンパ腫について正しいのはどれか。
1. 腫瘤形成は稀である。
2. 多発性骨髄腫は T 細胞に由来する。
3. B 細胞性リンパ腫が 15 % を占める。
4. 非ホジキンリンパ腫が5% を占める。
5. リンパ球を発生母体とする腫瘍である。
正答:5
1. 腫瘤(しこり)としてリンパ節に出現する。
2. 多発性骨髄腫は B細胞から分かれる形質細胞に由来する。
3. B 細胞性リンパ腫が 30~40 % を占める。
4. 非ホジキンリンパ腫が90% を占める。
5. リンパ球を発生母体とする腫瘍である。
午前86 骨折の名称と部位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1. Cotton 骨折 ― 大腿骨
2. Dupuytren 骨折 ― 第1中手骨
3. Galeazzi 骨折 ― 橈 骨
4. Jefferson 骨折 ― 環 椎
5. Straddle 骨折 ― 上腕骨
正答:3,4
1:コットン骨折:下腿が回旋することによって起こる、内果・外果の骨折。
2:デュプイトラン骨折:内果骨折,遠位脛腓関節の完全離開,腓骨骨幹部または頸部の螺旋状骨折の合併骨折。
3:ガレアッジ骨折:橈骨の遠位側の骨折。尺骨は骨折せずに、橈尺関節で脱臼を伴った骨折。
4:ジェファーソン骨折:環椎の圧迫骨折。椎骨の細い部分(前弓と後弓の4箇所)で骨折することが多い。外側への転移が多いため神経損傷は少ないそう。
5:ストラドル骨折:恥骨と坐骨の損傷により、骨盤輪の連続性が損なわれる骨折。
午前87 視床痛について正しいのはどれか。
1. CRPS<複合性局所痛症候群>typeⅠに分類される。
2. 発症頻度は脳卒中患者の 30 % 程度である。
3. 脳卒中発症直後に生じる症例が多い。
4. 鎮痛剤は無効であることが多い。
5. 手部に腫脹を伴う。
正答:4
午前88 心原性脳塞栓症の原因として誤っているのはどれか。
1. 卵円孔開存
2. 拡張型心筋症
3. 三尖弁狭窄症
4. 慢性心房細動
5. 感染性心内膜炎
正答:3
午前89 進行性核上性麻痺について正しいのはどれか。
1. 延髄が萎縮する。
2. L-Dopa が著効する。
3. 頸部が前屈位となる。
4. 垂直方向の眼球運動障害を呈する。
5. MIBG 心筋シンチグラフィーで心/縦隔比が低下する。
正答:4
午前90 疾患と遺伝形式の組合せで正しいのはどれか。
1. 筋強直性ジストロフィー ―――― 常染色体優性遺伝
2. 脊髄性進行性筋萎縮症 ――――― 伴性劣性遺伝
3. Becker型筋ジストロフィー ―― 常染色体劣性遺伝
4. Duchenne型筋ジストロフィー ― 常染色体優性遺伝
5. Huntington病 ――――――――― 伴性劣性遺伝
正答:1
今回はここまでです.次回は【第56回】PT・OT国家試験│解説【午前91~午前100】になります.
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